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櫛名田比売の救出


素戔嗚命は櫛名田比売を救うことを決意します。
素戔嗚は、櫛名田比売を「櫛(くし)」に変えて自分の髪に挿しました。
そして、老夫婦に八つの大桶に強い酒を満たすように指示します。


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この部分のお話では「櫛」が、やっぱり印象的ですよ。
ある研究家は「櫛」が象徴しているのは「苦しんで死ぬ・死んだ。殺した」という意味の象徴だと言っていたりもします。
実際に、そこまでの意味はなくとも「櫛の歯」は「刃」という意味に転化して「死(幽世)と生(常世)」の境界を切り分ける象徴としているのかな?と。
そういう意味での小道具ならば本来は、他の何でも良かったのだとは、思いますが。この話では素戔嗚が自分の髪に挿していることが重要で、むしろそっちのために「苦しんで死ぬ・死んだ」の意味を付け加えたんじゃなかと私は思っています。


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素戔嗚命は、その酒を八岐大蛇の通り道に置き、罠を仕掛けました。

八岐大蛇が現れると、その強い酒の匂いに惹かれて大桶に頭を突っ込み、酒を飲み始めます。
八岐大蛇が酔い潰れると、素戔嗚命はその隙を突いて八つの頭を次々と斬り落とし、最後に尾を斬ると中から一振りの剣を素戔嗚は見つけます。
この剣が後に草薙剣(くさなぎのつるぎ)と呼ばれることになります。

八岐大蛇の尾から見つかった草薙剣は、後に素戔嗚命から天照大神(あまてらすおおみかみ)に献上され、三種の神器の一つとして尊ばれることとなります。

八岐大蛇を退治した後、素戔嗚命は櫛名田比売を元の姿に戻し、彼女と結婚します。
彼は出雲の地に宮殿を建て、そこで櫛名田比売と共に暮らしました。


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ここの行は素戔嗚が出雲を支配したことを示すものです。
前記事で述べたように八岐大蛇とは、出雲の資源を指していた。それを拡大解釈すれば「出雲そのもの」になる。
出雲そのものだからこそ、当時の鉱山資源の中で最重要視された鉄の象徴である剣が別に登場してくるわけです。
そして、それを天照大神に献上した。自分の意思で、という事を言いたいのです。

ただ、実際に各地の伝説を見ると「出雲の王が持つもの」としてのアイコンとして草薙の剣、もしくは準ずるものがあったと思われます。

また、素戔嗚を表すエピソードの中で一番重要であるはずの、この八岐大蛇エピソードは「出雲国風土記」に出てこない。
「風土記」とは、古事記・日本書紀(今後、<記紀>で表記)と違い出雲の人間が編纂に大きく関わっている本です。
つまり、地元の人間が地元の事を書いた本。

この出雲国風土記に、八岐大蛇の退治エピソードが出てこない理由は地元では「元々、素戔嗚のモノだった」から書く必要がなかった。
これに尽きます。

ひねくれた読み方をすれば、記紀とは中央政権である大和朝廷(天皇家)の言い訳本です


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